8号 医療情報誌 Neo

#08 幸せな日々を医療と共に。

  • Doctor's Hand ロボット麻酔システムを開発

    福井大学医学部附属病院麻酔科蘇生科 教授 松木 悠佳

  • Very Human 心臓に特化した先進的な医療現場をハートフルな看護でサポート

    福井循環器病院 副院長:佐藤 小百合/看護部グループマネージャー:多田 光代/看護師:向川 康太、三田村 亜希奈

  • Professor's Voice 組織・地域を越えたつながりで格差のない呼吸器疾患診療を

    福井大学医学部附属病院呼吸器内科 教授 早稲田 優子

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Doctor's Hand

ロボット麻酔システムを開発

福井大学医学部附属病院麻酔科蘇生科 教授 松木 悠佳

その日、福井は午後から強い日差しが照りつけていた。平日の13時を回ると、福井大学医学部附属病院(以下、福井大学病院)の外来駐車場は、午前の混雑とは打って変わり、空きスペースが一気に増える。診療を終えた人や車が、足早に病院を離れていく。正面玄関をくぐり、目の前のエスカレーターで2階に向かう。目的地は、2階A棟の北・南側24、25と表示された一角。ここに、手術部と集中治療部がある。
麻酔・蘇生科を率いる松木悠佳教授の仕事場だ。手術チームの一員として外科医や看護師など医療スタッフと手術を成功に導く。その一方、集中治療部の部長も兼任する。
ICU(手中治療室)の待機室に案内され、しばらく待つつもりでいたら「次の手術まで時間がありますから、今なら少しお話できますよ」 教授から直接、声をかけられた。手術を支え、術中の患者の命を預かる麻酔科医は、常に高い緊張感と責任感が求められる。張り詰めた面持ちで最初の質問を投げかけると、予想外の言葉が返ってきた。

Doctor's Hand

心臓に特化した先進的な医療現場をハートフルな看護でサポート 命にかかわる責任感を胸にスタッフ200人が活躍中

福井循環器病院 副院長:佐藤 小百合/看護部グループマネージャー:多田 光代/看護師:向川 康太、三田村 亜希奈

ここ北陸で福井循環器病院は、確かな地歩を固めている。「福井の地で心臓手術を」の願いを込め、心臓外科の世界的権威で東京女子医科大学教授を務めた故榊原仟氏がふるさとに循環器専門病院を開院してから58年、心臓外科の開心術やカテーテルによる血管内治療など心臓病に対する治療を実践してきた。また、近年では、心臓領域で最先端の医療を次々と取り入れており、内科領域においては、開胸することなく人工弁を入れる経カテーテル大動脈留置術(TAVI)であり、外科領域では、内視鏡を用いて外科手術を受ける患者の負担を軽減する低侵襲心臓外科手術(MICS)である。

Professor's Voice

組織・地域を越えたつながりで格差のない呼吸器疾患診療を 早期発見・早期治療へ 待ちではなく、「出向く」

福井大学医学部附属病院呼吸器内科 教授 早稲田 優子

取材に訪れたのは、教授就任から3ヵ月がたったころだった。そろそろ環境の変化にも慣れ、落ち着いてきた頃合いかと思いきや、忙しい日々はまだまだ続いているようだ。
「昨日は大阪で講演会があり、先週は岐阜に行っていました。今朝は4時に起きて始発で福井に戻り、午前中は外来を担当。加えて、若い医師をいかに指導していくか、スタッフを増やすにはどうすればいいか、診療科のこれからも考えていかなければなりません。いまだに『教授』と呼ばれることに、多少の違和感はありますが、立場はがらりと変わりました(笑)」 講師から呼吸器内科を牽引する教授へ。
その責任感の違いをひしひしと感じている。と同時に、県内唯一の特定機能病院である福井大学医学部附属病院の教授として、地域全体の呼吸器疾患診療を見据えた取り組みにも力を注ぐ。その一つが、早稲田教授が音頭を取ってスタートさせた「FIND-AIR」だ。

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