社会医療法人 名古屋記念財団 理事長 太田 圭洋
公益社団法人日本海員掖済会 名古屋掖済会病院 病院長 北川 喜己
医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院 病院長 吉田 憲生
一般社団法人 愛知県病院薬剤師会 会長 山田 成樹
HOSPYグループ・名古屋記念財団は、名古屋市南東部及び知多半島を中心に、2病院、6クリニック、1障害者施設を有する医療・福祉グループだ。急性期病院の「名古屋記念病院」と、透析を中心に包括期医療を担う「新生会第一病院」、外来維持透析を主体的に行う複数のサテライトクリニックと障害者施設などから構成される。
「そもそものスタートは、私の父が腎不全の患者さんに対する透析治療を行うために、夜間専用の透析医療機関を立ち上げたことでした」
年間1万台以上の救急車が出入りする名古屋掖済会病院(以下、掖済会)の救命救急センター。救急車が横付けされると、救急医やスタッフが駆け寄り、手際よく患者をストレッチャーに乗せて、処置室へと移動する。
最新鋭の設備が整った「ハイブリッドERシステム」と呼ばれるその場所は、救急搬入口から10メートル余りしか離れていない。脳梗塞や心筋梗塞、大量吐血といった一刻を争う重症疾患では、時間と距離が患者の生死を分ける。移動時間が大きなロスとなり、搬送の振動が出血を助長して状態悪化を招くこともあるのだ。それゆえ処置室を「近ければ近いほど良い」場所に置くのは、救命救急の鉄則ともいえる。
刈谷豊田総合病院では、ロボット支援下手術、腹腔鏡手術や胸腔鏡手術など、より安全で、患者の体に負担が少ない低侵襲手術が主流だ。
2013年2月に「ダヴィンチSi」を導入し、その後、2020年10月には県内でいち早く「ダヴィンチXi/X」を導入、以来積極的にロボット支援下手術を行い、消化器外科ではすでに症例数が100例を超えている。ダヴィンチは現在3台稼働しており、吉田憲生病院長によると「消化器外科にとどまらず、ダヴィンチ手術が保険適用の対象になっている診療科では、ほぼフル稼働の状態」だという。
「医薬分業」が進み、薬剤師は患者の薬物療法全体をマネジメントする専門職へと大きく変化してきているといわれます。病院に勤務する病院薬剤師の役割は、どのように変化してきているのでしょうか?
病院薬剤師に求められる基本的な役割は、大きく二つあると思います。一つは、対人業務へのシフト、すなわち入院患者さんの薬物に関するケアです。入院時に患者さんが普段飲んでいる薬やサプリメントなどをすべてチェックし、入院中の薬との重複や飲み合わせを確認します。患者さんとの対話を通じて、薬物の有害事象や副作用などについて説明し、服用状況、体調変化などを直接聞き取ります。そうすることで、副作用の初期症状を見逃がさないようにすることも、病院薬剤師の重要な業務になっています。