名古屋大学大学院医学系研究科・医学部医学科 医学系研究科長・医学部長 勝野 雅央
トヨタ記念病院 病院長 岩瀬 三紀
公益社団法人 愛知県看護協会 会長 三浦 昌子
愛知県厚生農業協同組合連合会 海南病院 病院長 奥村 明彦
―2025年4月に医学部長・研究科長に就任されてから、9ヵ月余りが経過しました。ここまでを振り返って、どのような印象、感想を持たれていますか?
あっという間の9ヵ月というのが正直な気持ちです。それまで副研究科長を7年近く経験して、医学部や大学のことをわかっているつもりでいましたが、いざ医学部長・研究科長になってみると全然違いました。いままで見えていなかったこと、知らなかったこと、矢面に立つことも多く、改めて責任の重さを痛感しています。
トヨタ記念病院の救急外来。ここは、年間9千台を超える救急車を含めて約2万5千人の患者を受け入れる、いのちの砦だ。年齢や疾患の種類、重症度を問わず「断らない救急」で24時間診療にあたるところから「ERトヨタ」と呼ばれる。
その中心的役割を果たすのが救急科だ。多種多様な救急患者を、安全かつスピーディに診療するために機能的につくられている。救急の近くにカテーテル室やMRI、内視鏡などを設置、エレベーターでオペ室、ICU、各診療科にもつながっており、安全かつ質の高い医療をスムーズに投入できる。
少子高齢化や人口減少が全国的に進む中、医師や看護師などの医療従事者の人材不足が懸念されている。2040年には、医療人材の不足などから医療を受けられない“医療難民”が、全国で40数万人にも及ぶという予測もある。まずは、県内の看護師の就業状況について聞いた。
愛知県内の看護師登録者数は、8万8269人(※令和6年12月31日現在
業務従事者届出数『厚生労働省』)と、数だけみれば前年より増えています。ただ、大学を卒業後の看護師の就職先をみると、大病院志向が強い傾向がうかがえます。
愛知県弥富市。人口約4万3000人余りを擁するこのまちは、名古屋市の西側20キロメートルに位置し、西は三重県、北は岐阜県に隣接する。道路や交通の利便性を背景に、北部ではベッドタウンとしての住宅開発が進み、南は名古屋港に面した工業地が控える。
まち中を国道1号線が走り、京都方面に向かって進みながら前ケ須町南本田の路地を一つ左に曲がると、JA愛知厚生連・海南病院が姿を現わす。
「ここは日本有数の河川、木曽川と長良川を隔てて岐阜県と三重県に接しています。アクセスが良いこともあって特に三重県から多くの患者さんが来院されます。周辺一帯が平坦な地形で、当院の敷地全体が海抜ゼロメートルで、海面より低くなっているのです」